スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「就活エリートの迷走」

就活エリートの迷走 (ちくま新書)就活エリートの迷走 (ちくま新書)
(2010/12/08)
豊田 義博

商品詳細を見る


リクルートワークス研究所主任研究員が、就活が孕む問題点について書いた本。

リクルートと聞いて少し身構えるが、内容は極めてまともで、私の考え方に極めて近い。

就活への適応≠社会への適応であり、むしろ就活への過剰適応が社会への適応に異常をきたす原因となっていると指摘している。


・失敗を極度に恐れ、

・企業に要求ばかりし、

・理想の成長ルートから外れると極端にモチベーションが落ちる

・そして、次第にメンタルに不調をきたし、転職してしまう

実はこれ、就活エリート達の特徴なのだ。この厳しい「就活」を勝ち抜き、就職できない学生批判をする(就活を知らない)大人たちが認める人材が、実はこんな特徴を持っている。

問題の根本原因は、米国流の就活方式をそのまま輸入してしまったことにある。

志望動機・自己分析が重要視されるのもここからきている。今の形の「就活」が始まる前は、そこまで志望動機ばかりを問い詰められることはなかった。この志望動機を徹底的に問うやり方は、米国の採用活動の場合は理に適っている。何故なら、米国の大学生は職場での長期インターンを経てアイデンティティを確立し、採用された時点である程度どんな職場、どんな仕事をするかが分かるからである。これは、大学で学んだ内容と仕事の内容が接続しているためでもある。就活問題が教育問題にも繋がっていることは言うまでもない。
しかし、日本の場合はそうではない。そもそも採用時に配属が決まることは少なく、新人研修後に配属が決められることが多い。入社前に確固たるキャリアプランを描いていたとしても、その通りにならないことが多いのだ。

著者はこの二つの企業社会を比べ、米国式を「ゴールを決めて登る"山登り型"」日本式を「とにかく仕事をこなしながら将来を考える"筏下り型"」であると言う。

そして、現状の就活は山登り型に合理化された方式をそのまま筏下り型に適用している。これでは上手くいくわけがない。

つまり、就活に過剰適応した就活エリートは、かなり具体的な成長ゴール観を持ち、厳しい就活を乗り越えるために自己洗脳してしまう(山登り型への過剰適応)。しかし、会社に入ってみると配属は別の部署になるし、やりたい仕事もなかなかできない。

こうして、現状の就活はキャリアプランを自己洗脳・絶対化した登山者型就活エリートを次々に生み出し(というかこうしないと厳しい就活を勝ち抜けない)、筏下りに突っ込んで溺れさせている。

ではどうすべきか。まず、就活で"やりたいこと"ばかりを問うことをやめ、エントリーシートも廃止すべきと著者は訴える。これには全く賛成で、このシステムに過剰適応する就活エリートを生み出す根本原因となっている。

また、面接偏重も問題であり、面接だけで仕事の能力が測れるわけがない。面接で志望動機を厳しく問うのは幹部候補コースくらいで良いはずだが、日本企業にはそんなコースはない。幹部候補は入社してからの出世競争によって選ばれる。このため、企業は新卒に対し、"現場で活躍するポテンシャル"と、"マネージャーとして活躍するポテンシャル"など、様々なポテンシャルを全て求めてしまう。本来は、もっと個人の適性に沿った様々なコースを用意すべきなのだ。勿論、条件を満たせば別のコースに移れるような運用が望ましい。

であれば、面接だけを重視するのではなく、大学や教授とのコネクション(すなわち推薦方式)、リクルーターとの接触、長期インターンなど、ネットエントリー → SPI・面接以外の方式を探るべきであると著者は主張する。全く賛成であり、高専時代に見た就活風景が思い出される。

大学生が聞くと驚くかもしれないが、高専生はほとんどナビサイトに登録しない。しかし、今もほぼ100%の就職率を誇っているし、何十と会社を受ける必要はない。これは高専生の数が少ないせいもあるが、それだけではない。企業が志願者を大量に集めて大量に落とす"受験方式"ではなく、欲しい人材を就職担当の教員から紹介してもらう"見合い方式"であるためだ。企業は学校側に求人票を送り、それに対して就職担当の教員が学生を送り込む(といっても大抵成績順であるが)。これは著者が主張する"お節介なキャリアコンサルタントによる就職支援"像と重なる。

ナビサイト掲載企業/全新卒採用企業数 = 4万/70万なのだから、こうした方法で他の就活ルートを作るのは喫緊の課題と言えよう。

文責 caffelover
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

就活どうにかしろデモ実行委員会

Author:就活どうにかしろデモ実行委員会
----------------------
2011年2月22日(火)18時~19時
院内集会
会場:参議院議員会館101号会議室
たくさんのご来場
ありがとうございました


活動拡大につき、カンパ募集中

■2010年11月23日
全国4都市(札幌・東京・大阪松山)でデモ行進
■2010年12月27・28日
議席を有する10政党に申し入れ
報告記事1報告記事2
■2011年1月18日
過去最低の内定率発表日に民主党に申し入れ
■2011年2月22日
院内集会

<連絡先>
就活どうにかしろデモ実行委員会
代表・本間篤(ほんま・あつし)
080-1277-3439
syukatudemo@yahoo.co.jp
(@を半角に直してご使用ください)

リンク
twitter
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
QRコード
QR
最新記事
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。